第14章§4 - 11

以下,求める積分をIとする.
※ 巻末解答は評価が粗く,問題の要求をみたしていない.

(a)

x0において ex=k=0n1xkk!+Rn|Rn|exxnn! だから, ex1x=k=1n1xk1k!+|Rnx||Rnx|exxn1n! である.ここで,e<3と評価すると誤差の上限は 01|Rnx|dx<013xn1n!dx=[3xnnn!]01=3nn! と評価できる.これをn=5,6,7,8について計算すると以下の表の通りとなる. n誤差の上限n誤差の上限55.0×10378.5×10567.0×10489.3×106 ゆえに,n=7とすれば小数第3位までの十分な精度が得られ, I=01k=16xk1k!dx=k=16[xkkk!]01=k=161kk!1.317 n=8とすれば小数第4位までの十分な精度が得られ, I=01k=17xk1k!dx=k=17[xkkk!]01=k=171kk!1.3179 である.

(b)

x0において (1)ex2=k=0n1(x2)kk!+Rn=k=0n1(1)kx2kk!+Rn(2)|Rn|ex2x2nn! である.だから,0x1の積分範囲ではex21だから誤差の上限は 01|Rn|dx01x2nn!dx=[x2n+1(2n+1)n!]01=1(2n+1)n! と評価できる.これをn=4,5,6,7について計算すると以下の表の通りとなる. n誤差の上限n誤差の上限44.7×10361.1×10457.6×10471.4×105 ゆえに,n=6とすれば小数第3位までの十分な精度が得られ, I=01k=05(1)kx2kk!dx=k=05[(1)kx2k+1(2k+1)k!]01=k=05(1)k(2k+1)k!0.746 n=7とすれば小数第4位までの十分な精度が得られ, I=01k=06(1)kx2kk!dx=k=06[(1)kx2k+1(2k+1)k!]01=k=06(1)k(2k+1)k!0.7468 である.

(c)

x0において (3)ex2=k=0n1(x2)kk!+Rn=k=0n1x2kk!+Rn(4)|Rn|ex2x2nn! である.ここで,e<3と評価すると誤差の上限は 01|Rn|dx<013x2nn!dx=[3x2n+1(2n+1)n!]01=3(2n+1)n! と評価できる.これをn=5,6,7,8について計算すると以下の表の通りとなる. n誤差の上限n誤差の上限52.3×10374.0×10563.2×10484.4×106 ゆえに,n=6とすれば小数第3位までの十分な精度が得られ, I=01k=05x2kk!dx=k=05[x2k+1(2k+1)k!]01=k=051(2k+1)k!1.462 n=7とすれば小数第4位までの十分な精度が得られ, I=01k=06x2kk!dx=k=061(2k+1)k!1.4626 である.

(d)

x0におけるex2のマクローリン多項式と剰余項は(3), (4)の通りである. ここで,明らかにe0.1<2だから誤差の上限は 00.1|Rn|dx<00.12x2nn!dx=[2x2n+1(2n+1)n!]00.1=20.12n+1(2n+1)n! と評価できる.これをn=1,2について計算すると以下の表の通りとなる. n誤差の上限n誤差の上限16.7×10422.0×106 ゆえに,n=2とすれば小数第3,4位までの十分な精度が得られ, I=00.1k=02x2kk!dx=k=02[x2k+1(2k+1)k!]00.1=k=021(2k+1)k!0.100 である.

(e)

x0におけるex2のマクローリン多項式と剰余項は(1), (2)の通りである. ここで,0x0.1ex21だから誤差の上限は 00.1|Rn|dx00.1x2nn!dx=[x2n+1(2n+1)n!]00.1=0.12n+1(2n+1)n! と評価できる.これをn=1,2について計算すると以下の表の通りとなる. n誤差の上限n誤差の上限13.3×10421.0×106 ゆえに,n=1とすれば小数第3位までの十分な精度が得られ, I=00.1k=01(1)kx2kk!dx=k=01[(1)kx2k+1(2k+1)k!]00.1=k=01(1)k0.12k+1(2k+1)k!0.099 n=2とすれば小数第4位までの十分な精度が得られ, I=00.1k=02(1)kx2kk!dx=k=02[(1)kx2k+1(2k+1)k!]00.1=k=02(1)k0.12k+1(2k+1)k!0.0996 である.